鳥取県が小水力発電に取り組む団体を募集
地方自治体の重要な責務のひとつに中山間地域や農村の永続性確保があります。エネルギーの地産地消はその地域からみた所得流出を防ぎ、若干価格が高くても地域内で貨幣が回る分には地域経済に貢献します。
そのエネルギー源として、小水力は現実的な選択肢として有力です。鳥取県のこのような取り組みが全国広がることを切に望むととに、政治は「小水力発電の電力買取価格をせめて太陽光パネルの半額に引き上げて」を実現していただくよう強く望みます。
■関連リンク
【鳥取県】 次代を担う自然エネルギー
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=168805
【鳥取】マイクロ水力発電に取り組む団体を募集/鳥取県庁
小水力発電ニュース
http://j-water.jp/?p=722
バイオジェット燃料量産へ カナダ
環境ジャーナリストの富永秀一さんのtwitterで下の記事を知りました。
いや驚きました。
バイオマスによるジェット燃料量産はここまできていたのですね。
加オンタリオ州、州有林の木材をバイオジェット燃料生産に供給 ecool
http://www.ecool.jp/global_press/2011/06/ontario11-vio0607.html
なんか記事が直訳風で読みにくいので、ポイントだけ超訳しときます。
「加オンタリオ州、州有林の木材をバイオジェット燃料生産に供給」超訳
米リンテック社(Rentech Inc 米ロサンゼルス)はこのほど、カナダ・オンタリオ州で木材からジェット燃料およびナフサを生産する施設の建設に着手した。この施設では年間約8,500万リットルのジェット燃料と4,300万リットルのナフサを生産する予定。2015年の操業開始を目指している。
この事業により同社は、カナダ連邦政府から基金を通じ最大2億カナダドル(約166億円)の支援を受ける見込みで、木材供給はオンタリオ州政府が保証する。これにより森林産業とバイオ燃料産業の活性化が図られ、約400名の雇用創出が期待される。
同社は、通常のジェット燃料と木材由来のバイオジェット燃料との混合燃料でフライト実験を実施。通常のジェット燃料との性能差は認められないとしている。
コメント
バイオガソリンも普及したのは混合燃料ですし。ジェット燃料もそういう方向なのですね。たしかバイオマス系の燃料は高高度で凍結するのが悩みのタネという話もあったと思うのですが、量産化までいったのだからその辺もクリアしたのだな。
あ、これだ思い出した。
オーランチオキトリウムのブレイク?もあったし、そろそろ藻由来のジェット燃料のニュースも飛び込んできそうな予感がする。
丸紅が小水力発電所建設に本腰
小水力発電がいまいち盛り上がらない理由のひとつに業者の資本が小さいことがあるのではないかと、実は思っていたのです。いま、環境系のイベントなどに足を運んでも省電力、太陽光発電、地熱発電、バイオマス技術などの業者はブースを構えているのですが、小水力発電業者は出展していないんですよね。きっと資本がなくて参加できないのではないかと感じておりました。
そんななか大手商社の丸紅さんが小水力発電への参入を本格化させるとのこと。
小さな水力発電所、山梨に3カ所新設 丸紅が年度内に
http://www.asahi.com/business/update/0605/TKY201106050400.html
丸紅は今年度内に、山梨県内の3カ所に小さな水力発電所をつくる。地球温暖化問題などをきっかけに、同社は2006年、小水力事業に参入。東京電力の原発事故を受け、小さくても多様な電源を確保しようという自治体などの動きもあり、今後、本格化させたい考えだ。
山梨県北杜市内に、用水路の水を使った出力200キロワット前後の発電所を3カ所設置。電気は電力会社や自治体に売る。近く、北杜市と共同で発表する。
200キロワットの発電能力は、原発1基の5千分の1程度にすぎない。しかし原発事故をきっかけに、1カ所に巨大な発電所をつくるより、小さな発電所を分散配置した方が、電力の安定供給上も望ましいとの意見も広がりつつある。小水力はその受け皿の一つだ。
丸紅さんが小水力発電所建設を本格化させるというだけでasahi.comの記事になるのだからやはりインパクトがありますね。ぜひ丸紅さんには小水力発電の旗手になっていただいて、エネルギー系や環境系のイベントなどでも積極的にアピールしてほしいと願います。
もちろん電力固定価格買取制の対象拡大のアピールも、小水力発電の電力買取価格をせめて太陽光パネルの半額に引き上げてほしいという形で、経済産業省方面に働きかけていただければ幸いです。
長野県木曽郡木曽町で小水力発電の検討委員会が発足
長野県木曽郡木曽町で小水力発電の検討委員会が発足した。木曽町は水源も多く傾斜もあるのできっとよい結果がでることを期待したい。
小水力発電の適性探る 木曽町で検討委発足
中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20110604/CK2011060402000098.html
木曽町は3日、小規模河川や用水路などの水流を生かした「小水力発電」に取り組む検討委員会を発足させた。公民館や外灯、有害鳥獣の電気柵などに使う電力を賄い、自然エネルギーの地産地消を目指す。
…
池田教授はこの日、町内の河川を視察。「木曽にはきれいな水が豊富にあり、適した土地だ。発電の候補地と住民の需要を徹底的に調べたい」と意気込んだ。
…
福島第1原発事故を受け、河川環境が維持しやすい小水力発電に注目が集まっており、町の担当者は「エコのまちづくりを進めるきっかけにしたい」と話している。
このような動きはぜひ成功してほしい。
成功のカギを握るのは電力の買取価格だ。
小水力発電の電力買取価格をせめて太陽光パネルの半額に引き上げてほしいと切に思う。
葛巻町(岩手県)が電力自給計画推進
今後、自治体レベルのエネルギー施策に注目が集まるだろう。そして都道府県レベル、市町村レベル、地区レベルで様々な選択肢が模索されるだろう。
葛巻町が電力自給へ施設整備 自然エネルギー活用
岩手日報
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110605_9
太陽光発電と蓄電池、木質バイオマス、小水力などで構成するエネルギーセンターを役場付近に整備。各種発電設備などを組み合わせ、役場庁舎や葛巻病院、葛巻小など役場周辺の公共施設に熱や電力を供給する。停電でも2〜3日は自活できる程度の電力確保を目指す。
…鈴木重男町長は「エネルギーまで賄う地域完全循環型の町づくりをできるところから進め、災害時でも最低限の電力を確保できるようにしたい」と語る。
市町村レベルでもすぐにできることはある。首長の判断が問われる局面と言えるだろう。
「小水力発電」勉強会 愛媛大学農学部11番教室 2011年6月11日
愛媛県で「小水力発電」の勉強会が2011年6月11日に行われます。
近隣の方々は参加してみてはいかがでしょうか。
「小水力発電」勉強会
内容は下記の通り。
■題名 「小水力発電」勉強会
■日時 2011年6月11日(土) 10:00-11:30
■場所 愛媛大学農学部11番教室(愛媛県松山市樽味3丁目)
■内容
・日本の小水力発電の現状と課題
中島 大 (全国小水力利用推進協議会事務局長)
・高知小水力利用推進協議会の立ち上げと取り組み
篠 和夫 (高知小水力利用推進協議会会長・前高知大学農学部長)
・事例紹介・意見交換
コメント
東日本大震災と原発事故によりエネルギーの供給と分配への関心が高まっているが、その中でも再生可能エネルギーへの注目の高まりは特筆に値する。それにともない小水力発電への関心も高まっているが、小水力発電または小水力利用の進展は中央ではなく地方自治体の取組がカギを握っている。
震災前から富山県や群馬県などをはじめとして、県レベルで次々に小水力利用推進協議会が立ち上がっている。その様な状況のなか、高知小水力利用推進協議会会長であり前高知大学農学部長の篠 和夫氏と全国小水力利用推進協議会事務局長の中島 大氏による勉強会が松山で開かれる。
この勉強会、当ブログ的には関心領域の“どまんなか”である。高知県、四国、全国の小水力利用は現状はどうなっているのだろうか。農業、中山間地域での小水力利用はどう進展するのだろう。小水力利用を行政面、経済面からバックアップするにはどのような施策があるのだろうか。逆に課題はどこにあるのだろうか。聞きたいことは山ほどある。
近隣の学生、農業従事者、中山間地域居住者は参加されてはいかがでしょうか。
祝150,000PV達成
2011年05月31日、当ブログは累計150,000PVを達成いたしました。
これまでご訪問していただいた皆様に感謝です。
累計100,000PVを達成したのが2011年01月26日でした。約4カ月で5万PVが追加されたことになり、そのスピードにちょっと戸惑っています。なにしろ100,000PVを達成するのに3年以上かかっていたので。
それもこれも「オーランチオキトリウム」への注目が高まったからです。一昨日に「オーランチオキトリウム」を発見した渡邊教授がテレビで取り上げられたとのことで、一昨日、昨日は1日に3,000PV弱を記録しました。今後もこの傾向は続くものと考えられます。
アクセス数が増えるのは嬉しいのですが違和感もあります。古くから当ブログをお読みいただいている方(いるのか?)ならば分かっていただけると思うのですが、再生可能エネルギーとしての当ブログの本命は「小水力発電」です。「オーランチオキトリウム」などの藻の利用は「大穴」と考えています。
この「大穴」としている「藻類利用」について注目が集まる一方で、「本命」としている「小水力利用」にいまいち注目が集まらないことに違和感を感じているわけです。
当ブログは、アクセス数が増えているうちに少しでも「小水力利用」のアピールをしたいなと思います。それが当ブログが今やるべきことかなと考えます。
ということで今後ともよろしくお願いいたします。