「(小水力は)極めて大きな意味を持つ」 麻生総理

 6月10日の「麻生内閣総理大臣記者会見」は必読なわけだけれども、もう読みました?


  麻生内閣総理大臣記者会見
  http://www.kantei.go.jp/jp/asospeech/2009/06/10kaiken.html


 とりあえず「温室効果ガス」とか「気候変動問題」の話題はパスするとして、注目したいのは各新エネルギーについて語った回数です。


■麻生総理の発言回数

 
 麻生総理が各新エネルギーについて発言した回数は下記の通り。


  太陽光:7
  水 力:6
  風 力:0
  地 熱:0
  バイオマス:0


 新エネルギーについて麻生総理は太陽光と水力しか語っていないようです。つまり現在、国家は、新エネルギーの順位について1.太陽光、2.水力(小水力)と考えていることがうかがえます。



 麻生総理の発言で印象に残ったところは下記の通り。

 私は、「低炭素革命により、新たな市場と雇用を生み出す」そういう発想で新たな成長戦略を発表しました。その中で新エネルギー、いわゆる水力発電などの再生可能エネルギーの導入量を世界最高水準の20%にまで引き上げる。太陽光発電を現在の20倍にする、太陽光世界一プラン。そして、新車の2台に1台はハイブリッド車などのエコカーにする、エコカー世界最速普及プラン。日本の低炭素革命の将来像と、その実現の道筋というものを明らかにしたところです。


  水力が太陽光の前に出現!

今回、補正予算などなどで、太陽光発電は20倍にしようという目標を立てており、これでいきますと、20倍になりますと、大体0.7%ぐらい削減量が増えます。それが1つの目安です。その他、水力発電というのも、これは大きいんですが、いろいろな小さな水力発電というものは、大きなダムと違います。今、そこにある川というのは、日本の場合は急流が多いせいもあり、急流に限らない、とにかく流れが早い川が多いので、水力発電というものを小さく水力発電というものに向いている地理的条件にあります。この水力発電の活用というものは、これはいわゆる水によりますエネルギーの再生ですから、そういう意味では、極めて大きな意味を持つものだと思っているので、経産省または国土交通省の河川局などなどで、この問題について、今、いろいろやらせていただいているというところで


 話しなれていない分野なので文章が滅茶苦茶なのはご愛嬌として、総理大臣が小水力について「極めて大きな意味を持つ」と発言する時代が来るとは想像もできませんでした。なにやら感動しています。「小水力が注目されない理由」として「権利関係が複雑」という要素があるのですが、そこの整理も行っているようですね。すばらしい。




  小水力が注目されない理由
  http://d.hatena.ne.jp/Farmers_Energy/20090522/p1



■その他のキーワード

 ちなみに、他のキーワードの出現回数は下記の通り。


  エネルギー効率:7
  原子力原発):4


■今後は


 日本国のエネルギー施策は今後、原子力、太陽光、水力を軸に組み立てられてゆくでしょう。そしてスマートグリッドが中山間村や離島など“末端”から徐々に導入されて行くことになり、そこでは地熱、風力、波力、バイオマスマリンバイオマスなども地域特性に合わせて導入されて行くことになるでしょう。



 ああ、いいですね …
 想像するだけで逝きそう(笑)



 中山間村や離島から「新エネルギー+スマートグリッド」導入という流れが生じ、それはきっと「地域社会の再生」という役割を纏うようになり、食糧の地産池消、コミュニティ再興といった要素も加わるはずである。


 そして中山間村での生活が成立することで都市と地方のバランスが整えられ、人口が安定し、最終的には日本国が安定する …


 ああ、どう考えても楽しそうだ、そんな仕事に加わりたい。




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