レンゲソウで省エネ稲作

 原油価格が高騰している。原油価格はこのまま高止まりするだろうと専門家はみているようだ。現代農業は石油等のエネルギーを多く使用する。もし原油価格が高止まりするならば、農業の省エネ化を実現しなければ農家の存続は難しいだろう。


 一方、化成肥料を購入することも農家の収支を圧迫する原因のひとつとなっている。つまり省化成肥料と省エネに成功すれば農家が存続する可能性は高まる … そんな「省エネ稲作」についての記事が毎日新聞に掲載されていた。


 「今の稲作は石油エネルギーの供給がなければ成り立たない。過剰と言われる米も、実質的な自給率はゼロなんです。」(後藤氏)というのは本当のところである。この様な試みが広がること期待したい。




省エネ稲作:羽生の後藤さんが実践 トラクター使わず、レンゲソウ肥料に /埼玉
毎日新聞
http://mainichi.jp/area/saitama/news/20071107ddlk11040069000c.html

 ◇普及に意欲

 トラクターや化成肥料などを使わない「省エネ稲作」に、羽生市藤井下組の兼業農家、後藤雅浩さん(42)が取り組んでいる。秋〜翌春の農閑期にレンゲソウを植えてそのまま田んぼの肥料にする農法だ。環境に優しく燃料費の節約につながるなど多くのメリットがある。後藤さんは「素人でも無農薬で手軽にできるコメの栽培法として提案したい」と意欲を見せている。

 東京で1級建築士をしていた後藤さんが、羽生市に移り住んで米作りを始めたのは9年前。「子供たちの食とエネルギーの将来に危機感を持った」からだった。「県内では昭和40年代前半までレンゲを植えて田んぼの土作りをしていた」と話す後藤さんは、「循環型で低コストの稲作だ」とこの農法を実践。さらに2年前、トラクターを盗まれたことをきっかけに、全く耕さないことにした。

 レンゲソウの種は稲の刈り入れ前の9月にまいた。5月にかれんなピンクの花を咲かせ、枯れた後、軽量粉砕機で細かく砕き、田んぼに水を張る。レンゲソウが分解されたところで田植え。初めの2週間は雑草の芽が出るが、デッキブラシでたたくと、それ以降は生えなかったという。

 昨年までは40アール、今年は10アール作付けした。トラクターなど大型機械を使わなかった昨年からは、軽油など農作業にかかった燃料がそれまでの5分の1以下に抑えられたという。春にはレンゲのミツを集める養蜂業もできる。無農薬のため、田んぼには野ガモが集い、イナゴが飛び交った。

 後藤さんは「今の稲作は石油エネルギーの供給がなければ成り立たない。過剰と言われる米も、実質的な自給率はゼロなんです。自給用の稲作が至るところで行われるようになれば」と、「省エネ稲作」の普及を期待している。【町田結子】