小水力発電は2億世帯の電力をまかなうかも

 高校生が小水力発電の実験を成功させたとのこと、すごい!



水力発電に注目 都留の高校生が実験成功
産経ニュース

http://sankei.jp.msn.com/region/chubu/yamanashi/071013/ymn0710130240000-n1.htm

 池田教授は今後の可能性などについて「国内の水力エネルギー源の半分に相当する1億キロワットが未開発未利用。1世帯で500ワットを消費しても、2億世帯をまかなうたけの量だ。化石燃料の枯渇問題や、環境に負荷をかけない地産地消のマイクロ水力の必然性が生まれる」と語る。実現させるには河川の占有や発電許可など規制緩和が求められるが、小水力発電の可能性探求は途についた。将来、小水力発電がビジネスとして成り立つことが期待される。

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水力発電に注目 都留の高校生が実験成功
産経ニュース

http://sankei.jp.msn.com/region/chubu/yamanashi/071013/ymn0710130240000-n1.htm

 山梨県都留市の中心街を流れる「家中(かちゅう)川」。江戸時代の人工河川だが、毎秒1トン前後の流量がある。この水流を利用した小水力発電(1000キロワット以下)の多用性研究がいま進められ、注目を集めている。9月に地元高校生が小水力発電による人工ルビー製作実験を成功させ、その一端を披露した。(牧井正昭)

 家中川は寛永14(1637)年、領主だった秋元泰朝(やすとも)が新田開発のため桂川(1級河川)を水源に開削した全長約6キロの川。かつては耕作のほか生活用水にも活用されたこの川に「重力係数×流量×落差」の計算式を当てはめると、50ボルトから200ボルトの発電能力がある。

 人工ルビーの製作実験は同市の県立谷村工業高近くの家中川で行われた。電源は川に設置された最大540ワットの発電が可能な小水力発電機。同高環境化学コース3年、藤江友美さんや森嶋理絵さんらが金属酸化物が入った白金るつぼを電気炉に運んだ。

 実験に立ち会った信州大の大石修治教授(環境機能工学)によると、金属酸化物を2000度で溶解するとルビーがつくれるが、低電圧の小水力発電ではこれまで不可能だった。これを可能にしたのが実験で使われた小型電気炉。

 同席した新潟工科大の佐藤栄一准教授(情報電子工学)は、「1100度の小型電気炉でも2時間加熱、溶解させると、直径0.3−0.2ミリほどのルビーができる」。だが、平均120ワットの小水力発電のままでは高電圧が得られない。このため12ボルトのバッテリー16個を併用して必要電圧を調達したと説明する。

 家庭用レベルの電力を工業用に転化する技術は大学研究機関によって確立されつつある。小水力発電の泣きどころは流量によって変化する電圧。それさえも新潟県柏崎市の業者が電圧を100ボルトに保つ技術開発を進め、発電機と変圧器のセットで100万円になるようコスト調整が図られている段階まできている。

 同市では平成14年度に「新エネルギービジョン」を策定、自然エネルギーとして小水力発電の導入を促進することにして、「アクア(水)バレー(谷)つる」構想を掲げた。昨年は市役所前を流れる家中川に「小水力市民発電所」を建設した。

 直径6メートル、幅2メートルのドイツの木製発電水車を採用し、年間最大10万8000キロワットを発電できる。電気料金を年間約170万円分削減でき、火力発電と比較すると二酸化炭素の排出を年間約80トンも減らすことができるという。冠に「市民」としたのは建設費4300万円のうち1700万円を市民参加型ミニ公募債で調達したからだ。

 だが、企業ベースで考えた場合、年間170万円分の電気代では4300万円の設備投資の償還に25年もかかる。市政策形成課の奈良泰史課長は「庁舎前の発電所は営業ベースで考えては無理がある。あれは環境学習のフィールド・モニュメント。市が目指す『環境にやさしいまち』のシンボルタワーだ」と説明。ミニ公募債も市民の環境への意識高揚につながると考えたためだ。小水力発電の産業活用はこの後の研究に委ねられた。

 同市は昨年、小水力発電を産業に活用する戦略を練る「アクアバレーつる推進方策検討委員会」を立ち上げた。委員長は竹村公太郎工学博士。副委員長は小林久・茨城大農学部准教授、委員に高辻正基(東海大)、山田一郎(東大)、池田敏彦(信州大)ら工学系教授が顔を並べ、オブザーバーで関東経済産業局、関東農政局、国土交通省の幹部らが加わった。そして今年3月、検討事業を報告書にまとめた。

 この中で、市内7カ所を小水力発電の有望地とした。新規需要として有望なものに、冷蔵庫・低温庫、未来型農業、街路灯、信号機、通電獣害防止策、ビルのベース電力、下水道処理施設などを挙げた。特に目を引いたのが「未来型農業」。小水力発電を利用した植物工場での利用だ。太陽光を使わない完全密封型施設で水耕栽培すると無洗野菜を作り出すことができるとし、生産コストまで計算している。

 池田教授は今後の可能性などについて「国内の水力エネルギー源の半分に相当する1億キロワットが未開発未利用。1世帯で500ワットを消費しても、2億世帯をまかなうたけの量だ。化石燃料の枯渇問題や、環境に負荷をかけない地産地消のマイクロ水力の必然性が生まれる」と語る。実現させるには河川の占有や発電許可など規制緩和が求められるが、小水力発電の可能性探求は途についた。将来、小水力発電がビジネスとして成り立つことが期待される。