「非現実的な夢想家」と「現実的な実務家」の間で


 村上春樹さんが「非現実的な夢想家として」と題するスピーチをカタルーニャ国際賞受賞式で行った。



  村上春樹さん:カタルーニャ国際賞スピーチ原稿全文(上)
  http://mainichi.jp/select/today/news/20110611k0000m040017000c.html


  村上春樹さん:カタルーニャ国際賞スピーチ原稿全文(下)
  http://mainichi.jp/enta/art/news/20110611k0000m040019000c.html


コメント


 私は日々、効率を追求し、生産性を向上させ、利益を拡大させることを目標に仕事をしている。いうなれば「現実的な実務家として」働いている。


 しかし社会が「現実的な実務家として」効率と利益を追求した結果が福島原発事故となり、周辺地域の壊滅であるとするならば、やはり何かが間違っていたと感じざるをえない。


 私が「農業とエネルギー」というブログを細々と続けている理由は、農村の永続性を考えるためである。それは、「現実的な実務家として」働く私に対し、農本主義的な視点を私に与え、その中庸を図りたいという意識があるのだと思う。


 私は、村上春樹さんがいう「非現実的な夢想家として」の視点を意識的にもつことで、日常的な「現実的な実務家として」の私に対するカウンターとしたいのだ。この感覚を理解していただける方々とは、一晩でも語り合いたいと思う。


 村上春樹さんは、「非現実的な夢想家として」自分を位置づけることを格調高く宣言された。「現実的な実務家」からの批判は続くことになるだろうが、私はその勇気に敬意を表したい。