東洋経済「TPP全解明」が素晴らしい

 現在、TPP参加の是非をめぐる議論は、推進派と否定派の双方が情報不足のため己の主張を繰り返し千日手に陥りつつある状況といえるのではないか。


 政府は、日本国が交渉当事者ではないことから得ている情報に限りがあり、また得た情報も明らかにできない状況にあると考えられる。一方、メディアも、国民に対し新たな情報を提供することができていない状況に変わりはない。



 このタイミングで週刊東洋経済が「TPP全解明」と銘打ち、現状を総括する特集を組んだ。いま、週刊誌がTPPを全力で特集することは意義のあることだと思う。


 しかし、この特集は「TPP全解明」というには不十分だ。なぜならば、TPPに関わる情報が限られていることを認めているからだ。これまで明らかとなった情報はよくまとまっているものの、「TPP全解明」というには情報が不足している。


 といってもこれは“確信犯”であり、その弱点を埋めるためにWTOを中心としたこれまでの通商条約交渉と、WTOが停滞したことによるFTA、EPAの進展といった世界的な動向を総論的にまとめている。また注目される農業への影響も、北海道を中心に多角的に取材している。


 この内容で定価690円は安いといえるだろう。
 TPPに興味のある方は買いです。


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