エタノール用GMトウモロコシと食用トウモロコシが混合の恐れ


 また農業情報研究所さんに面白い記事がありました。


  米国 燃料エタノールGMトウモロコシを承認 混入恐れる食品企業や消費団体が猛反対
  http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/gmo/news/11021301.htm


 下記にポイントをまとめておきます。


■米国農務省がバイオエタノール原料として遺伝子組換(GM)トウモロコシの商業栽培を承認


 米国農務省(USDA)は2月11日、バイオエタノール原料として遺伝子組換(GM)トウモロコシの商業栽培を承認。スターチを糖に分解する酵素を生産する微生物の遺伝子を含んでいる。これによりスターチを糖に変えるエタノール製造の第一工程を省略できる。



■水、エネルギー、化学物質の使用を削減


 このトウモロコシを利用することで、水、エネルギー、化学物質の使用量は削減し、エタノール産出量が増加することが期待されている。



■安全性


 食べても安全なことは食品医薬局(FDA)が既に認めている。



■国際性


 オーストラリア、カナダ、日本、ニュージーランド、フィリピン、ロシア、台湾は既に輸入を認め、カナダは栽培も承認している。



■北米製粉業者協会が懸念を表明


 この決定に北米製粉業者協会(North American Millers’ Association、NAMA)が食用トウモロコシとの混合について懸念を表明。大規模商業栽培が始まれば、他のトウモロコシとの混合を完全に防ぐのはほとんど不可能と考えられている。


 「アミラーゼトウモロコシはトウモロコシのスターチを急速に分解する強力な酵素を含み、エタノール生産のコストを節減するが、もし食品加工の流れに入り込めば、エタノール生産を利する同じ働きが朝食のシリアル、スナック食品、ころもを付けた揚げ物などの食品の質を損なうことになる」

 「バイオ燃料トウモロコシは不可避的に食料用トウモロコシを汚染、米国のトウモロコシ輸出市場での拒絶の引き金を引き、農家を傷つけるだろう。工業用トウモロコシは国内のエタノール工場でのみ使われると想定されているが、米国が輸出する国での輸入承認を求めてきた。食料用トウモロコシの船荷が不可避的にこのトウモロコシに汚染されると知っているからだ」



★まとめ


 バイオエタノール原料として遺伝子組換(GM)トウモロコシの商業栽培が拡大した場合、食用トウモロコシの作付面積の減少や混合などの問題が引き起こされる恐れがある。中国のトウモロコシ需要が増加する局面で、アメリカの食用トウモロコシ生産の減少懸念はさらなる穀物価格の高騰を引き起こすのではないか。





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