オーランチオキトリウムについて


 うわー、「オーランチオキトリウム」という検索ワードでの
 1日の訪問数が100件を超えてきました。


 とりあえず「オーランチオキトリウム」を発見したチームの1員である
 筑波大の渡邉信教授のお話のポイントを書きおこしておきますね。


 これは「オーランチオキトリウム」が発見される前に有力視されていた
 「ボトリオコッカス」という藻について語ったものです。


 しかし、藻類によるオイル生産のポイントは同様ですし、
 「オーランチオキトリウム」の発見が重要視されるポイントも分かると
 思いますので読む価値があるかと思います。


未来ビジョン『藻で日本が産油国になる?!注目のバイオ燃料!』1/2

 

未来ビジョン『藻で日本が産油国になる?!注目のバイオ燃料!』2/2

 



『藻で日本が産油国になる?!注目のバイオ燃料!』渡邉信教授(筑波大)


■そもそも石油とは


 石油は太古の藻が蓄積して変性してできたもの。



ボトリオコッカスとは


 油(炭化水素)を排出する藻類。
 ボトリオコッカス1個は約10ミクロン(0.01ミリメートル)


 ★補足


  オーランチオキトリウムの年間排出量はボトリオコッカスの10-12倍。



■藻類バイオ燃料の特徴


 1.生産効率が高い

 
  ・トウモロコシ  :0.2トン/1ha 年間
  ・ボトリオコッカス:100トン/1ha 年間


  ★補足


   オーランチオキトリウム:1000トン/1ha 年間


 2.性質


  ・トウモロコシ


   そのままでは燃料に使えない
   変換してガソリンに混ぜて使う


  ・ボトリオコッカス


   油の構造が重油に近い
   接触分解を使い軽油、灯油、ガソリンが生成できる



■藻類でのオイル排出研究


  世界中で研究中。欧米中心に開発進む。
  米国ではジェット機を飛ばした。


  藻からジェット燃料ができた ('-'*) 2008/09
  http://d.hatena.ne.jp/Farmers_Energy/20080922/p1



■応用範囲


  石油化学製品(化学製品や化粧品)への応用も可能。



■課題


 ポイントは安定供給と採算性。

 ・採算性

  年間1ha100トンの生産量ではリッター140円程度。
  年間1ha1000トンの生産量ならばリッター50-60円程度となる。


  ★補足

   オーランチオキトリウム:1000トン/1ha 年間
   なので採算性をクリアできる可能性がある。


■実用化の時期


 遅くとも2030-2035年に実用化させたい。


■日本企業サポート:投資


 藻類産業創成コンソーシアム立ち上げ50社が参加。
 参加企業は、石油精製会社、自動車、農業、化学、
 水資源など幅広い業態の会社が参加。
  


■藻類とは


 一番最初に光合成をして酸素を出したのは藻類。
 大気を作ったのは藻類。
 石油を作ったのも藻類。


 藻類は人類が発展した環境の基礎を作った。
 藻を尊敬、感謝しよう。



■取組


 未来ビジョン2030-35年に藻類のオイルを産出。
 安定した経済・社会ができる。


 実現するのは次世代。現在の20-30代。
 豊かな世界観と信念を持った人材を育成する
 ことを国家的プロジェクトで取り組むべき!




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