バイオ燃料の残りかすを家畜の配合飼料に


 バイオエタノール製造時にでる残り粕(DDGS)を家畜の配合飼料の原料とする動きが広がりつつある。配合飼料の原料であるトウモロコシなどの穀物価格が高騰、そこで排出量が増え価格が下落しているバイオ燃料の残り粕を輸入し配合飼料の原料とする動きが出てきた。



 バイオ燃料の残りかす輸入が急増 飼料穀物高で
 iza
 http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/environment/115209/



 DDGSは通関分類上、ビール粕などと同じく「アルコール蒸留または醸造の時に発生する穀物粕」に分類される。DDGSの米国からの輸入実績は、平成17年は年間5335トンだったが、19年は11月までで9万8498トンまで拡大、年間で10万トンを突破する勢いとなっている。


 DDGSの米国での調達価格は、平成16年ごろの1トン=200ドル強から、最近では180ドル近くまで下っており、トウモロコシと競争できる水準になったことから輸入が急増しているという。


 ただし年間約2400万トンに達する国内の配合飼料の需要すべてをDDGSで賄うほどの数量確保は不可能とみられる。



■まとめ


 バイオ燃料に関連した話題は量的な問題で終わることが多い。バイオ燃料の残りかすを家畜の配合飼料の原料とする話もそうだ。年間約2400万トンに達する国内の配合飼料の需要をDDGSである程度満たそうとするには量的な問題がある。しかしバイオ燃料とDDGSを地産地消の資源として捉えるならば、きっと新たな可能性が見えてくるのではないだろうか。