三井造船と岡山県がクール


 アメリカの新エネルギー法成立で今後注目される「コーン・エタノール以外の新バイオ燃料」について三井造船岡山県の試みが面白そうだ。


 アメリカの新エネルギー法案が成立
 http://d.hatena.ne.jp/Farmers_Energy/20071223/p1


 「コーン・エタノール以外の新バイオ燃料」という趣旨は、要するに「食用原料以外から作るバイオ燃料」ということだろう。休耕地などで特に肥料も必要なく簡単に育つ植物からエタノールが生産できれば理想的である。


 そんな先を見越した試みを岡山県三井造船株式会社が共同して行っていることを見つけたので紹介しておく。



□農村エネルギー資源活用実証事業を開始


 三井造船岡山県は共同で、もみ殻・稲わら・スイートコーンの茎葉および遊休農地の活用として栽培を見込むエネルギー作物(ソルガム)など食用ではないセルロース系原料によるバイオエタノール生産の実証事業を2007年度より開始した。


 今後、作物ごとのエタノール生産効率や採算性を検証し、岡山県北部地域でバイオエタノール生産に最も適した農作物などの調査を行う。



□調査実証の内容


 ・食糧生産の副産物(もみ殻、スイートコーン茎葉等)の活用研究調査
 ・エネルギー作物(ソルガム等)の栽培実証調査
 ・農村エネルギー資源の収集、調整、運搬等の調査
  バイオエネルギーの製造実証(真庭バイオエタノール製造プラント)
 ・農村エネルギー資源から、バイオエタノールの製造実証


 現在、バイオエタノールはトウモロコシなど食用物からの生産などがほとんどである。しかし、今後のバイオエタノールの普及には、稲わらや麦わら等の草木類・製材工場などの残材・エネルギー作物など、セルロース系原料から高効率にエタノールを抽出する技術が期待されている。


 三井造船はC6糖分、C5糖分を同時発酵可能な酵母を使うとともに、新規開発した発酵シミュレータにより原料に応じたアルコール発酵の最適条件を見極めることができる。さらに、エタノールの脱水工程には、独自のゼオライト膜技術を適用して、プロセスのエネルギーコスト削減を図かる。この真庭バイオエタノール実証プラント(岡山県)で培った技術で地球温暖化防止・資源循環型社会の形成・新産業の創出に貢献してゆく。



■まとめ


 コーン・エタノールの次を見据えた三井造船の動きはクールである。そのエタノールで動く輸送船をつくれば、もしかすると100年後の世界物流を制覇できるのではないかと愚考する。




農村エネルギー資源活用実証事業を開始
食用以外のセルロース系原料によるバイオエタノール生産
http://www.mes.co.jp/press/2007/20070327.html

007年3月27日
農村エネルギー資源活用実証事業を開始
食用以外のセルロース系原料によるバイオエタノール生産


三井造船株式会社(社長:元山 登雄)は、岡山県(石井 正弘知事)と共同で、もみ殻・稲わら・スイートコーンの茎葉および遊休農地の活用として栽培を見込むエネルギー作物(ソルガム)など食用ではないセルロース系原料によるバイオエタノール生産の実証事業を2007年度より開始します。
今後、作物ごとのエタノール生産効率や採算性を検証し、岡山県北部地域でバイオエタノール生産に最も適した農作物などの調査を行います。



岡山県主導で行われる農村エネルギー資源活用実証事業は、産学官で取り組んでいる「おかやま木質バイオエタノール研究会」(2006年8月発足)と連携して進めて行きます。



調査実証の内容
農村エネルギー資源供給事業
・食糧生産の副産物(もみ殻、スイートコーン茎葉等)の活用研究調査
・エネルギー作物(ソルガム等)の栽培実証調査
・農村エネルギー資源の収集、調整、運搬等の調査
バイオエネルギーの製造実証(真庭バイオエタノール製造プラント)
・農村エネルギー資源から、バイオエタノールの製造実証


現在、バイオエタノールはトウモロコシなど食用物からの生産などがほとんどですが、今後のバイオエタノールの普及には、稲わらや麦わら等の草木類・製材工場などの残材・エネルギー作物など、セルロース系原料から高効率にエタノールを抽出する技術が期待されています。



三井造船はC6糖分、C5糖分を同時発酵可能な酵母を使うとともに、新規開発した発酵シミュレータにより原料に応じたアルコール発酵の最適条件を見極めることができます。
さらに、エタノールの脱水工程には、独自のゼオライト膜技術を適用して、プロセスのエネルギーコスト削減を図っています。当社の真庭バイオエタノール実証プラント(岡山県)で培った技術で地球温暖化防止・資源循環型社会の形成・新産業の創出に貢献していきます。