石油代替エネルギーとしての水力

 「ハイドロバレー計画ガイドブック」のまとめを続ける。今回は「2.水力開発の現状と促進制度」の「2.2.1 石油代替エネルギーとしての水力」である。


 石油代替エネルギーとしての水力、ガイドブックではどの様に説明されているのだろうか。


2.2.1 石油代替エネルギーとしての水力


□課題


 日本は自国内に有望なエネルギー資源を有しておらず、省エネルギーの推進、石油代替エネルギーの開発・導入は重要な課題である。



□水力資源


 水力資源は、クリーンで無限に再生可能な純国産エネルギーであり、わが国の一次エネルギー供給量の3.2%(平成14年度)、純国産一次エネルギーの約5割を占めている。また、化石エネルギーの消費を一次エネルギー換算で4.1%(原油換算で約4,200億円/年)抑制するなど水力は現在においても極めて重要な役割を果たしている。



□ポテンシャル


 最大出力500kWの水力発電所を建設し、年間を通じて50%の発電が可能とすれば、年間に発電できる電力量は500kW×365日×24時間×0.5=2,190,000kWhとなる。石油火力発電所における1kWh当たりの石油の消費量は0.26kl(キロリットル)とすると、水力発電所の建設によって節約できる石油の量は1年間に569,400kl、ドラム缶で2,847本の石油を節約できることになる。



■まとめ


 日本はエネルギー資源が少なく、現在は中東の石油に強く依存している。この状況はリスクが高いため、省エネルギーの推進、新エネルギーの開発・導入は重要な課題である。


 一方で、水力資源は再生可能な純国産エネルギーである。現在でも一定の役割を果たしているが、石油代替エネルギーとして更なる開発が望まれる。




ハイドロバレー計画ガイドブック
http://www.enecho.meti.go.jp/hydraulic/data/dl/G02.pdf

2.2.1 石油代替エネルギーとしての水力

 我が国では、これまでに二度の石油危機を経験したほか、自国内に有望なエネルギー資源を有しておらず、エネルギー供給の約8割を海外からの輸入に依存していることから、省エネルギーの推進、石油代替エネルギーの開発・導入が重要な課題です。


 一次エネルギー総供給量の約5割を占める石油については、中東地域からの輸入に大きく依存しており、きわめて脆弱な供給構造の上に置かれています。また、国際的なエネルギー需給動向においても、今後はアジアを中心とした途上国のエネルギー需要が今後増大していくものと予想されており、国際的なエネルギー需給を巡る動向の不安定性が指摘されています。このようなことから、今後とも石油代替エネルギーの開発・導入の促進を図り、エネルギーの安定供給を確保することが我が国にとって必要不可欠です。

 水力資源は、クリーンで無限に再生可能な純国産エネルギーであり、わが国の一次エネルギー供給量の3.2%(平成14年度)、純国産一次エネルギーの約5割を占めています。また、化石エネルギーの消費を一次エネルギー換算で4.1%(原油換算で約4,200億円/年)抑制するなど水力は現在においても極めて重要な役割を果たしています。

 最大出力500kW(キロワット)の水力発電所を建設し、仮に年間を通じて50%の発電が可能とすれば、年間に発電できる電力量は、500kW×365日×24時間×0.5=2,190,000kWhとなります。石油火力発電所における1kWh当たりの石油の消費量は0.26kl(キロリットル)ですので、この水力発電所の建設によって節約できる石油の量は1年間に569,400kl、ドラム缶で2,847本の石油を節約できることになります。