ライスショック

 NHKスペシャルの「ライスショック」第一回を見ました。

 以下はそのメモと感想です。


■メモ


 国内の外食産業は価格競争に落ちっており、価格が第一、安心安全は第二という優先順位になっているのが現状。また日本人一人当たりの米消費量は、昭和37年は約120kgだったが、現在は約60kgにまで落ちている。


 つまり日本人は米を食べなくなり、外食産業は安い米を探しているのだ。


 一方でアメリカ、中国、台湾などの米生産国はすでにコシヒカリを生産しており、日本への米輸出のタイミングを計っている状態である。「日本に輸出している米」ということがブランドにもなる。


 いち早く輸入自由化をした台湾は高年齢者の農民が失業している。また米作を続けている農家も流通会社との契約栽培となっており、品質が悪いと解約の憂き目をみる。


 このまま行くと、台湾の米農家の現状は、日本の米農家の未来になるかもしれない。



□日本現状

 ・自給率39%

 ・一人当たりの米消費量が半減(120kg→60kg)

 ・米の輸入開始は1995のWTO発足から。
  2006年は77万トンを輸入

 ・新潟コシヒカリJA買取価格
  1表60kg 15000円→10000円に値下げ



サクラメントバレー(米国)


 ・米を大規模生産
 ・日本の品種に注目が集まる
 ・KOSHIHIKARI 10kg 1500円
 ・アメリカ製の日本酒を世界に輸出



□台湾


 ・世界中の米が集まる台湾

 ・農家:米を作っても生計が立てられない
  「どうやって生きてゆけばいいんだ」

 ・農家:会社管理の下で契約栽培
     品質が悪ければ解約




■感想


 当ブログが掲げる「食料とエネルギーの地産地消」の精神とは相反する現実である。


 活発な自由貿易原油コストが安いからこそ成り立っている。今後、原油価格が高騰したときに穀物を長距離輸送することがコスト的に見合うかが不明である。


 さらに穀物の国際価格は、バイオエタノールの生産拡大や異常気象の影響による生産減少などにより高騰している。


 エネルギーと食料の価格が高騰し始めている現在、主食の関税を下げることで国内農家にダメージを与えることは最悪の政治決断といえる。自給率が下がりきった時に、食料と原油の価格暴騰が起こるリスクをはたして否定できるのか?


 安易な自由貿易主義は、国を滅ぼす元凶となりそうだ。