ネットも残念だけれど化石燃料もまた残念ということで

 今世紀のエネルギー問題は「もし化石燃料の産出量が漸減するならば、まずエネルギーの利用効率を上げて、次に原子力や新エネの供給量を増やしましょう」ということが中心的なテーマとなりそうですね。


 すでに世界は化石燃料が漸減するという前提で動き始めていますし、もし化石燃料の産出量が漸減しなければ皆で笑って流しましょうというような楽天的な空気さえ感じます。


化石燃料は残念


 化石燃料の利用で人類が得たものは大きいですが、失ったものもまた多いです。そして化石燃料は世界を大きく変えましたが、これ以上変えないだろうことも分かりました。


 いまは“化石燃料は残念”という声が世界に渦巻いているようです。なぜならば、化石燃料はこれ以上世界を大きく変えられないのに、ロクでもない面が多々あるからです。


 最近では化石燃料利用のロクでもない面がクローズアップされることが多く、「今とは違うより良い世界」にそろそろ進みはじめたいという空気が強まっているようにも感じられます。


 現実主義者は「化石燃料がなければ今の世界は崩壊する」とそれらの動きに苛立つのでしょうが、楽天主義者や理想主義者は「今とは違うより良い世界」があるとするならばそこに進みたいと思うわけで、「今とは違うより良い世界」へ導く技術として「自然エネルギー」や「スマートグリッド」が期待してしまうわけですね。かつて「インターネット」に期待したように。


 “化石燃料は残念”という声は世界に渦巻いているようです。なぜならば、我々はそれで得たものの大きさをすでに知っていますが、これ以上世界を変えないだろうことも分かっていて、「今とは違うより良い世界」には連れて行ってくれないことから、多々あるロクでもない面が許しがたくなってしまうからです。


ネットも残念


 最近は“ネットは残念”といった声も上がりはじめました。ネットに夢を見た楽天主義者や理想主義者が、ネットはもうこれ以上「今とは違うより良い世界」に連れて行ってくれないだろうことに気付いてしまったのでしょう。


 化石燃料と同様にネットも、これまで世界を大きく変えたけれど、今後はそれほど変えられないだろうことが分かってしまっただけに、ロクでもないことが多々、目につくということもあるのでしょう。


 「今とは違うより良い世界」に連れて行ってくれるかも、という期待を裏切った結果“ネットは残念”という声がでるのは、しょうがないですよね。それだけ一般化したということでしょう。