多角的貿易交渉 まとめ

 今回、決裂した多角的貿易交渉をまとめておこう。



■(新)多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)とは


 (新)多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)とは、世界貿易機関加盟国による通商交渉であり、農産品、工業品だけでなく、サービス、途上国問題、紛争処理など幅広く扱うもので、2001年11月のドーハ閣僚会議で立ち上がった。


 ドーハ・ラウンドは、2003年9月に交渉が決裂、その後「枠組み合意」が2004年7月31日に採用され、2008年内に交渉を合意できるかに注目が集まっていた … が決裂した。



 新多角的貿易交渉が21日から閣僚会議
 http://d.hatena.ne.jp/Farmers_Energy/20080720/p1




■多角的貿易交渉における日本


 日本の目標は、農産物市場開放の例外にできる「重要品目」数の割合を10-15%とすることだった。しかし交渉を続けるうちに「8%」となり、最後は「4+2%」を飲んだらしい。次回交渉はこの「4+2%」からスタートとなるのは明白だ。


 農業交渉 重要品目4+2%か 多角的貿易交渉
 http://d.hatena.ne.jp/Farmers_Energy/20080727/p1


 といってもこれは農水省方面の関心事であって、経産省方面の関心事としては日本の輸出品目に関し、新興国の関税を引き下げることだったのだろう。



■決裂! 多角的貿易交渉 


 各国の思惑が対立するなか、当初の期間を延長してまで交渉を続けたが、最後はインド・中国とアメリカの対立が解決せず、交渉は決裂という結果に終わった。


 各国の思惑が対立 多角的貿易交渉
 http://d.hatena.ne.jp/Farmers_Energy/20080729/p1


 決裂! 多角的貿易交渉
 http://d.hatena.ne.jp/Farmers_Energy/20080730/p1




■まとめ


 今回、インド・中国とアメリカの対立により交渉が決裂したのは、新興国の台頭を象徴する出来事であろう。我が日本のプレゼンスは、どこにもなかったような印象だ。


 そんな日本の目標は、農産物市場開放の例外にできる「重要品目」数の割合を10-15%とすることと説明されていたが、それは言ってみれば選挙対策用であって、本当は日本の輸出品目に関して新興国の関税を引き下げることだったと思われる。


 ということで決裂して残念でした、という感じだ。


 それにしてもWTOにおいてピークオイルの考え方が微塵も感じられないのは空恐ろしい事である。WTOピークオイルが語られるのは2010年以降だろうか … 楽しみではある。