ハイドライドとは?

 有機ハイドライド、ハイパーハイドライド、バイオハイドライドとは何かを理解するためには、そもそもハイドライドとは何かを理解しなければならない。ハイドライドとは、私は水素化合物の事であろうと考えていたのだが、調べてみると少し違うらしい。



ハイドライドとは


 ハイドライドWikipediaで調べてみると下記の通りである。

水素イオン

水素のイオンには、陽イオンのヒドロン(hydron; ハイドロン)と、陰イオンのヒドリド(hydride; ハイドライド)とが存在する。1H+ はプロトンそのものであるが、元素としての水素は同位体混合物なので、水素の陽イオンに対する呼称としてはヒドロンが正確である(すなわちヒドロンは H+, D+ などの総称である)。しかし、化学の領域において単に「プロトン」と呼ぶ際は水素イオンを指し示していると考えて差し支えはない。


ヒドロン・プロトンあるいはヒドロニウムイオン

H+ であれ D+ であれ、ヒドロンは電子殻を持たないむき出しの原子核である為、化学的にはファンデルワールス半径を持たない正の点電荷の様に振る舞う。それ故通常は単独で存在せず、溶媒など他の分子の電子殻と結合したヒドロニウムイオン (hydronium ion) として存在する。極性溶媒中では、水、アルコール、エーテルなどの酸素原子の電子殻と結合している場合が多いので、ヒドロニウムイオンというべき代わりにオキソニウムイオン (oxonium ion) と呼ばれることも多い。あるいは超強酸など極限状態においては単独で挙動するプロトンも観測されている。

また、アレニウスの定義ではヒドロンは酸の本体である。酸としてのプロトンの性質は記事 オキソニウムイオン あるいは記事 酸と塩基 に詳しい。


ヒドリド

アルカリ金属アルカリ土類金属あるいは13族・14族元素で金属性を示す元素の水素化物が電離する場合は、ヒドリド (hydride, H−) としてイオン化する。ヒドリドはK殻が閉殻した電子配置を持つために、一定の大きさを持ったイオンとして振舞う点でヒドロン(プロトン)とは異なる。実際、ヒドリドはフッ素アニオンよりもサイズが大きいように振舞う。

ヒドリドは塩基として作用する場合と還元剤として作用する場合があるが、それは金属と還元をうける化合物との組み合わせにより変化する。


出典:wikipedia「水素」より
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E7%B4%A0

 要するに、水素イオンには陽イオンと陰イオンがあるが、ハイドライドとはそのうちの陰イオンのことである。



■イオンとは



 そもそもイオンとは何かを確認しておくと下記の通りである。


イオン(ion, 発音記号 áiən)は、原子あるいは分子が、電子を授受することによって電荷を持ったものをいう。電離層などのプラズマ、電解質の水溶液、イオン結晶などのイオン結合性を持つ物質内などに存在する。

wikipedia「イオン」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3

 また、陰イオンと陽イオンに関しては下記の通り。


陽イオン

電子を放出して正の電荷を帯びた原子、または原子団を陽イオン(ようイオン、positive ion)、あるいはカチオン (cation) と呼ぶ。金属イオンはすべて陽イオンである。


陰イオン

電子を受け取って負の電荷を帯びた原子、または原子団を陰イオン(いんイオン、negative ion)あるいはアニオン (anion) と呼ぶ。ハロゲンはすべて陰イオンとなる。


wikipedia「イオン」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3

■まとめ



 要するにハイドライドとは、負の電荷を帯びた水素原子のことである。
 水素原子が電子を受け取り負の電荷を帯びたものと考えればよいだろう。

 hydride H−