原子力発電所が安全ならば都市に作るべき
地元住民らによる中部電力浜岡原子力発電所の運転差し止めの要求は認められませんでした。
地震が起こる確立が高いとされている地域で原子力発電所を運営してゆくことは、安全性はもちろん経済性の面でも疑問です。
7月の新潟県中越沖地震で被災した柏崎刈羽原子力発電所の復旧はいつになるのでしょうか。復旧までの機会損失と、復旧にかかるコストは如何ほどなのでしょう。地震大国である日本にとって、原発は本当に経済的なのでしょうか?
もし仮に、安全性にも経済性にも問題がないのであれば、今のように地方ではなく都市のど真ん中に原子力発電所を作るべきです。需要地域に供給施設を設ける方が送電コストが少なくなるので経済的です。なにしろ安全性に問題がないわけですから、なんら問題はありません。
なぜその様な事が議論さえ行われないのか。都市で消費するエネルギーを生むために、信用のない原子力発電所を地方に押し付ける、それは都市のエゴではないのかと感じざるを得ません。
【主張】浜岡原発訴訟 中部電力は一段と備えを
iza
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/environment/94432/
来る東海地震の揺れに原子炉施設は耐えられないなどとして、地元住民らが静岡県御前崎市の中部電力浜岡原子力発電所・1〜4号機の運転差し止めを求めていた訴訟で、静岡地裁がその主張を退ける判決を出した。
7月の新潟県中越沖地震で東京電力の柏崎刈羽原子力発電所が被災したこともあり、原発の耐震安全性に対する司法の判断が注目されていた。
地球温暖化問題への対応や石油価格の高騰下でのエネルギーの安定供給に、原子力が貢献し続ける道を確保したという点で評価したい。
住民側の主張には、原発の老朽化による機器の劣化も含まれていたが、最大の争点は、原発の耐震安全性と予想される東海地震の規模だった。
東海地震は、駿河湾で東海地方の陸地の下に潜り込んでいる巨大なプレート(岩板)の運動によって起きる。その規模はマグニチュード8程度の大地震であり、100〜150年の間隔で過去から繰り返されてきた。国の調査機関も東海地震が今後30年以内に発生する確率を87%と予測している。
このため、東海地震の想定震源域の真上に立地している浜岡原発の耐震安全性が争点になったわけである。
原子力発電所は、国が定めた耐震設計審査指針をもとに建設されている。昨年、安全性を高めた新指針に改定されたが、中部電力はそれより早く、さらに高い安全性を確保するための補強工事に着手している。他の電力会社も、安全を先取りする姿勢を参考にしてもらいたい。
日本列島は地震の多発地帯に位置している。そこに世界で3番目に多い55基の原子炉が稼働している。原発と地域社会の共存には、電力会社と国が現実的な範囲で可能な限り、耐震安全性を追求していく努力が必要だ。
大事なことなので再度、強調しておきたい。原子力は必要だ。遠くない将来に必ず起きる石油エネルギーの枯渇を代償し、二酸化炭素を排出しない発電で地球温暖化を抑制するためにも、原子力を賢く使っていくことが人類社会に求められている。
一方、東海地震も必ずやってくる。中部電力は、主張が認められたことで安心することなく、ソフト面でも一段と備えを強化すべきであろう。
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