ヴェラサン・エネルギー社 エタノール価格急落で新工場建設を停止*

 10月3日の農業情報研究所によると、米国・ヴェラサン・エネルギー社が、年産1億1000万ガロンのエタノール工場の建設を停止した、とのこと。



■現象


 米国・ヴェラサン・エネルギー社がエタノール工場(年産1億1000万ガロン)の建設停止。



■理由


 この60日でエタノール価格が50%も下落したため。
 今週(10月3日)、原料トウモロコシ価格も下落。



■背景


 ヴェラサン・エネルギー社は、米国各地に9工場を持ち、その現在の総生産能力は4億5000万ガロンで、今後は5億5000万トン増加予定としていた。

 このほかに、27工場で11億ガロン(3億7500万トン増加予定)のポエト社、7工場で10億700万ガロン(5億5000万トン増加予定)のADM社が米国の上位。



■まとめ


 原料であるトウモロコシ価格が下落するも、エタノールの価格が半値になってはバイオエタノール生産はペイしないだろう。そもそもトウモロコシ価格の下落はエタノール価格の下落が原因と予想される。これはバイオエタノール定着への試練であり、今後の展開が注目である。






農業情報研究所
米国最大級のバイオエタノール生産者 エタノール価格急落で新工場建設を停止
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/earth/energy/news/07100302.htm

 米国最大のバイオエタノール生産者の一つであるヴェラサン・エネルギー社が、年産1億1000万ガロンのエタノール工場の建設を停止した。2008年には建設を再開するかもしれないが、再開するかどうかは市場条件の成り行き次第、この60日でエタノール価格が50%も下落しており、現在のペースでの拡張には慎重にならざるを得ないという。

 VeraSun Energy Suspends Construction on Reynolds, Ind., Biorefinery,PR Newswire,10.1

 先日報じたように(米国エタノールブームに陰り 生産急増で市場が”食傷の病”に倒れる,07.10.1)、米国エタノールブームは、確かに曲がり角に来ているようだ。小規模なものが多い農業者(地方)所有工場の中には、操業停止に追い込まれるものも増えるかもしれない。今週、上昇が続いていた原料トウモロコシ価格は下落に転じたが、製品価格が半分にも下がったのでは採算はまったく取れないだろう。

 参照:米国燃料エタノール統計:工場数、生産能力 シカゴ商品取引所穀物先物相場:07.8.21-10.2

 なお、ヴェラサン・エネルギー社は、米国各地に9工場を持ち、その現在の総生産能力は4億5000万ガロンとされている。単独会社としては、27工場で11億ガロン(生産能力、さらに3億7500万トン増やす予定)のポエト社、7工場で10億700万ガロン(同、さらに5億5000万トン増やす予定)のADM社に次ぐ生産能力を持つ。今後の工場建設・拡張で能力は5億5000万トン増やす予定としていた。

 以上、米国更新可能燃料協会(RFA):http://www.ethanolrfa.org/industry/locations/