ピークオイル後でも可採年数は増えることがある


 「オイルはX年間は枯渇しない」という意味の可採年数、それはオイルの確認埋蔵量をその年の生産量で割った数値である。


 この可採年数、実は生産量がピークを迎えた後も増えることがあるのだ。

 だが、ある重大な意味で、可採年数は意味がないのである。根本的な問題は、可採年数では生産がピークに近づいていることが分からない点だ。じつは、埋蔵量と生産量は、平行して減る傾向があるので、埋蔵量を生産量で割った数値は、ピークを過ぎてかなり経ってからも、概ね横ばいになる可能性が高く、上昇する場合すらあるのだ。

「地球最後のオイルショック」p93

地球最後のオイルショック (新潮選書)

地球最後のオイルショック (新潮選書)



 確認埋蔵量が減っても生産量も減れば可採年数は増える可能性がある。つまり「オイルはX年間は枯渇しない」といっても、ピークオイル後は意味が薄いのである。


 雑巾を最後の一滴まで絞りきるのは容易ではない。雑巾を絞りきる寸前の可採秒数(?)は、ひょっとすると無限大に近くなるのではないか?


 つづく



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地球最後のオイルショック (新潮選書)

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