交易損失が26兆円なのに貿易収支が黒字って?
「交易損失」(1-3月)が26兆円なのに5月の貿易収支は3656億円の黒字だそうです。
2008年5月の貿易収支は3656億円の黒字
http://d.hatena.ne.jp/Farmers_Energy/20080625/p3
日本の「交易利得・損失」が26兆円のマイナス
http://d.hatena.ne.jp/Farmers_Energy/20080625/p2
交易で損失出してるのに貿易収支が黒字ってよく分かりません。
きっと数字の意味が分かってないから混乱しているんでしょうね。
下記ニュースを読んでちょっと腑に落ちました。
実感とかけ離れたGDP2次速報、GDIの注目度高まる
ロイター日本語ニュース
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-32209620080611
<1−3月の交易損失はGDPの4.6%分>
カギを握るのは交易条件悪化に伴う海外への所得流出だ。輸入原油価格高騰などでの交易条件悪化による所得の流出入を示す交易利得をみると、ここ数年間は損失に転じているが、特に原油価格の急上昇もあり、直近の1年間で損失が急増している。
10─12月期の交易損失は22兆円、GDPの3.9%程度だったが、1─3月期には26兆円、GDPの4.6%に増加している。GDPの5%近くが海外に流出しては、景気の良さは実感し難いというわけだ。
この交易損失を前年比でみると10兆円ほどの増加だが「消費税率5%分の引き上げ」(モルガン・スタンレー証券チーフエコノミストの佐藤健裕氏)に相当するという。
「交易損失」って交易条件悪化に伴う海外への所得流出なんですね。とすると交易条件に変化がなければ「交易利得・損失」はゼロですか?
ついでに同記事によると、今後の注目は国民総所得(GNI)らしいです。
<GDIなら1.7%成長に>
そこで注目されるのが、GDPに交易利得をプラスしたGDI、GDIに配当、利子など海外からの所得の純受取り分を加えた国民総所得(GNI)だ。
1─3月期のGDIは前期比年率プラス1.7%、GNIも同プラス0.8%と、GDPよりかなり低い数字だが「企業の景況感は、GDPよりGDIに合っている」(みずほ証券・シニアエコノミスト、泰松真也氏)との指摘も少なくない。
交易損失は「輸入原油価格に連動しているため、4─6月期は相当悪化する」(佐藤氏)見通しという。財務省によると1─3月期の輸入原油価格は1バレル=93ドル程度だったが、4月が100.7ドル、5月上中旬では106ドル程度に上昇しているという。泰松氏も交易損失の08年度の平均は28.7兆円と、07年度の21.3兆円から大きく増加するとみる。
日銀は4月展望リポートで「生産・所得・支出の好循環」との表現をはずしたが、森田氏は「GDPだけみて、GDIを見ないならば、日銀の指摘する下振れリスクは見えてこない」と警告する。
GDI、GNIについては、日銀も展望リポートでも触れて重視したおり、今後注目度が一段と高まりそうだ。
国民総生産が伸びても交易損失が拡大したら国民総所得は伸びないということですね。まあなんとなく分かってきました。