個別地点開発計画策定調査


 「ハイドロバレー計画ガイドブック」のまとめを続ける。

 今回は「2.水力開発の現状と促進制度」の「2.4.1 個別地点開発計画策定調査」である。


 国内で使える水力はどの程度か、まずはそこを調べなければならない。その水力未開発地点について、開発に必要な基礎資料を整備するための調査が個別地点開発計画策定調査である。

 下記はその個別地点開発計画策定調査の解説である。



□個別地点開発計画策定調査


 個別地点開発計画策定調査は、水力未開発地点について開発に必要な基礎資料を整備し、具体的な開発計画を策定することにより開発の可能性を評価して水力開発の促進を図るもので、平成8年度から調査が実施されている。

 調査の対象となる地点は、事業者である電気事業者(一般電気事業者、卸電気事業者)、卸供給事業者、自家用発電設置者が開発を進めようとする個別地点の中から選定し、各種の調査を実施している。



図2.4.2 個別地点開発計画策定調査のスキーム




ハイドロバレー計画ガイドブック
http://www.enecho.meti.go.jp/hydraulic/data/dl/G02.pdf


2.4.1 個別地点開発計画策定調査



 本調査は、水力未開発地点について開発に必要な基礎資料を整備し、具体的な開発計画を策定することにより開発の可能性を評価して水力開発の促進を図るもので、平成8年度から調査が実施されています。

 調査の対象となる地点は、事業者である電気事業者(一般電気事業者、卸電気事業者)、卸供給事業者、自家用発電設置者が開発を進めようとする個別地点の中から選定し、各種の調査を実施しています。



(1) 調査内容


 調査内容は、申請に基づき、現地状況を勘案して表2.4.1 の調査内容から必要な調査が実施されます。



表2.4.1 個別地点開発計画策定調査の内容

? 発電計画概略設計(1/5,000 精度)
a. 流量資料整備
b. 発電基本事項の検討
(水路ルートの選定、使用水量の決定、設計基本諸量の算定 等)
c. 主要構造物の概略設計
(取水設備、導水路、ヘッドタンク、水圧管路、発電所、放水路 等)
d. 水車・発電機の選定と電気設備関係の検討
e. 概略施工計画と工事工程、仮設備計画の策定
f. 工事費の積算と経済性評価
g. 概略設計図書の作成(平面図、縦・横断面図、主要構造物設計図 等)
? 航測図作成(1/5,000)
? 流量調査(測定設備の設置は除く)
? 地質調査(地表地質踏査、ボーリング調査、物理探査 等)
? 主要構造物周辺測量及び地形図作成
? その他(既設構造物健全度調査 等)



(2) 調査スケジュール


 個別地点開発計画策定調査の基本的な調査スケジュールは、表2.4.2 に示すとおりです。なお、応募方法等については、(財)新エネルギー財団水力本部調査部に問い合わせて下さい。



表2.4.2 個別地点開発計画策定調査のスケジュール

時 期 内 容
? 前年度の12月下旬事業者へ地点募集の案内送付
? 前年度の2月上旬地点募集の締め切り
? 前年度の3月下旬経済産業省と協議のうえ調査実施地点を決定
? 当該年度の4月上旬事業者へ調査実施の可否の通知
? 当該年度の5〜6月地元へ協力依頼(経済産業省
? 当該年度の5〜6月事業者と調査内容に関する打合せ・協議
? 当該年度の6〜7月調査業務のコンサルタントへの発注手続き
? 当該年度の8〜12月調査業務の実施
? 当該年度の1〜2月事業者へ調査成果の納品
? 当該年度の3月下旬経済産業省へ調査結果の報告



(3) 調査費


 個別地点開発計画策定調査は、全額国費により行われます。

 なお、これらの調査業務は、経済産業省からの委託を受けて、(財)新エネルギー財団水力本部調査部が実施します。