文部科学省の土壌汚染地図が見つからない
本日、NHKで、文科省が農地等の放射能汚染地図を公表したというニュースがありました。
土壌汚染の広がり 地図を公表
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110829/t10015231101000.html
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、放出された放射性物質による土壌汚染の広がりを、農地に限らず詳細に調べた地図が公表されました。原発に近い一部の地点の土壌汚染は、IAEA=国際原子力機関が緊急事態の対応として一時的な住居の移転を求めるレベルを超えていることが分かりました。
実物がみたいなと思って文科省のホームページを探したのですが、現時点ではアップされていないようです。私の探し方が悪いのか、文科省がネットに出していないのか … どうなんでしょう?
■関連記事
「オーランチオキトリウム」関連記事数の推移をまとめてみた
前回は「小水力発電」関連記事数の推移をまとめてみましたので、ついでに今回は「オーランチオキトリウム」の関連記事の推移をまとめてみたいと思います。
「オーランチオキトリウム」関連記事数の推移
日経テレコンに収載されている記事のうち、「オーランチオキトリウム」を含む記事を年代別にカウントしてみました。
2010年 2 / 13
2011年 3 / 16 (8月27日まで)
(朝日、読売、毎日、日経) / (全記事)
分子は「朝日、読売、毎日、日経」の記事数で、分母は「全記事」です。
2010年12月:報道スタート
2010年12月10日のNHKニュースで、12月14日に茨城県つくば市で行われる藻類の国際学会で「オーランチオキトリウム」が発表されることが報じられています。これが、日経テレコンで確認できる「オーランチオキトリウム」関連の最初の記事ですね。
“油生成力10倍超”の藻類発見 実用化へ期待 筑波大グループ
2010/12/10 NHKニュース
従来の10倍以上の生産効率で油を取り出すことが出来る藻の仲間を筑波大学の研究グループが新たに発見したと発表することになり、バイオ燃料としての実用化に弾みが付くと期待されています。
【中略】
この研究成果は、今月(12月)14日に茨城県つくば市で行われる藻類の国際学会で発表されることになっています。
そして14日の学会発表の様子が朝日新聞夕刊で報道されています。
石油つくる藻類、沖縄に「有望株」 生産能力、従来の10倍超
2010/12/14朝日新聞 夕刊
藻類に「石油」を作らせる研究で、筑波大のチームが従来より10倍以上も油の生産能力が高いタイプを沖縄の海で発見した。チームは工業利用に向けて特許を申請している。将来は燃料油としての利用が期待され、資源小国の日本にとって朗報となりそうだ。茨城県で開かれた国際会議で14日に発表した。
【後略】
やはり、2010年12月14日の学会発表がオーランチオキトリウムのお披露目だったのですね。この朝日新聞の記事は、当ブログの更新をサボっていた私に、更新再開を決心させた印象深い記事です。
2011年:報道徐々に増加
2011年に入ると、地方紙や専門新聞で取り上げられています。
主なタイトルは下記の通り。
社説/つくば発藻類オイル−人類救うイノベーション期待
2011/01/21 日刊工業新聞
藻・コケで資源問題解決
2011/01/27 日刊工業新聞
フロンティア:世界を変える研究者/16 筑波大生命環境科学研究科教授・渡辺信さん
2011/03/08 毎日新聞 朝刊
河北抄/原発事故でエネルギー危機が心配される日本の救世主になるかもしれない
2011/06/10 河北新報
「油作る藻」から燃料 休耕地で培養も/農水省が技術開発支援
2011/06/15 日本農業新聞
海で稼ぐ、日本の底力――「石油ができる藻」ただいま培養中!
2011/07/17 日経ヴェリタス
医療の窓 その15‐電気のない時代に戻れますか
2011/08/19 薬事日報
おいでませ 藻類バイオマスの実現に挑む筑波大大学院教授 渡辺信さん
2011/08/26 中国新聞朝刊
2011年1月の日刊工業新聞の社説は私も覚えています。この頃からテレビでも紹介され始めるなどして、注目度が上がってゆきましたね。
そして、河北新報や日本農業新聞、はては薬事日報にまで登場しました。
これからどうなるか、楽しみですね。
■関連記事
「小水力発電」関連記事数の推移をまとめてみた
昨日、「再生可能エネルギー特別措置法案」が成立しました。
これを機に、再生可能エネルギーが普及してゆくことでしょう。
当ブログでは、再生可能エネルギーでは「小水力」をイチオシとしてきたのですが、「再生可能エネルギー特別措置法案」が成立というタイミングで、これまでの「小水力」への関心の高さの推移を振り返りたくなり、簡単に調べてみました。
関連記事数の推移
日経テレコンに収載されている記事のうち、「小水力発電」を含む記事を年代別にカウントしてみました。
2006年 19 / 160
2007年 24 / 179
2008年 41 / 373
2009年 72 / 703
2010年 105 / 947
2011年 138 / 935 (8月26日まで)
(朝日、読売、毎日、日経) / (全記事)
分子は「朝日、読売、毎日、日経」の記事数で、分母は「全記事」です。
2008年に転機
数字をみると、「小水力」は2008年以降に注目が集まってきたことが分かります。
2008年といえば「全国小水力利用推進協議会のホームページ」が立ち上がった年ですね。
その頃、私もシンポジウム「コミュニティ・エネルギーの可能性を探る」に参加していました。
「コミュニティ・エネルギーの可能性を探る」(J-WatER)に参加 編集
2009年にプチ・ブレイク
そして2009年には麻生総理の「(小水力は)極めて大きな意味を持つ」という発言が飛び出します。
「(小水力は)極めて大きな意味を持つ」 麻生総理
http://d.hatena.ne.jp/Farmers_Energy/20090618/p1
これは、とても印象に残るスピーチでしたね。
2011年、震災後に普及はじまる
そして2011年、震災を経てやっと「再生可能エネルギー特別措置法案」成立となるわけですね。いまや国民の多くが、太陽光、風力、地熱、水力、バイオマスなど、地域特性を生かしたエネルギー源を組み合わせる必要性を認識するにいたっています。
小水力に限ってみても、いまやtwitterなどでは小水力の話題は溢れていますし、勉強会なども活発に開かれ、実際に設備数も増加しているようです。当然ながら、小水力発電がもつ、地域主権・地産地消といった社会的な側面にも注目が集まっています。
これら小水力の注目度UPは「全国小水力利用推進協議会」をはじめとする水力発電関係者の地道な努力のたまものであると思います。
今後は
震災を経た我々が後世に残すべきものは、世界トップレベルの都市群と、元気な地方ではないでしょうか。都市は、経済の中心として世界とつながり、地方は地産地消を旨とするのがよいかと思います。再生可能エネルギーの促進は、その両方に資する政策であろうと思いますので、ガンガンやってほしいと思います。
「小水力」関連記事も、今後は増えてゆくでしょう。楽しみ、楽しみ。
原発再稼働の是非を判断するストレステストは公開でお願いします
政府は7月11日、原発再稼働は“ストレステスト”に合格することを条件とする統一見解を明らかにした。その格子は下記の通り。
ストレステスト:目的
1.停止中の原発を対象に簡易的な「一次評価」を実施し再稼働の可否を判断する
2.すべての原発を対象に「二次評価」を行い運転の継続・中止を判断する
ストレステスト:フロー
1.原子力安全・保安院が原子力安全委員会の確認の下、評価項目・評価実施計画を作成する。
2.事業者が(1)に沿って評価する。
3.保安院と安全委が(2)の結果について確認する
コメント
当案件について、私は政府を支持する。
ただし、政府はすべてのプロセスを公開で行うことを保障すべきである。
当案件について、国民は関心を寄せ、専門家は良心をもって評価すべきである。
関連記事
原発再稼働 統一見解 簡易1次評価で判断
TOKYO Web
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2011071102000045.html
小水力発電推進で岐阜県、富山県が合意
水資源が豊富な地方自治体が小水力発電分野を着実に前進させている。喜ばしい限りだ。
小水力発電の導入で連携 古田知事と富山県知事が合意
2011年07月08日00:37
古田肇知事は7日、石井隆一富山県知事と関市内のホテルで懇談し、新エネルギー対策では小水力発電の導入を促すための規制緩和を連携して国に要望することで合意した。
国調査では岐阜県、富山県は水力発電所として利用されたり今後利用可能な水資源のエネルギー量がそれぞれ47都道府県で1位、2位を占め、小水力発電所も岐阜県内25カ所で導入、富山県内も14カ所で運転されている。
石井知事は「小水力の発電用水利権は取得に時間がかかり、売電収益を充てられる事業も限られている」と課題を提起、国に取得手続きの迅速化や、売電収益の充当範囲の拡大を連携して働き掛けることを提案した。古田知事は地域活性化総合特区制度を活用して新エネルギーで発電した電力の販売規制緩和や水利権の許可申請の簡素化を目指しているとした上で「小水力促進のため、ルール見直しが必要との認識は全く同じ」と応じた。
小水力発電導入の障害のひとつに権利関係の複雑さが挙げられる。また買取価格の調整も必要だ。ただし、2009年6月10日に麻生総理がすでに、小水力発電推進のための権利関係整理について「経産省または国土交通省の河川局などで、この問題について、今、いろいろやらせていただいているというところで」と発言しており、2年前に権利関係整理に動いている経緯がある。この動きが民主党にどれだけ引き継がれているかはポイントだが、当時の段階で論点整理程度は終了しているはずで、動き出せば早いだろう。
「(小水力は)極めて大きな意味を持つ」 麻生総理
http://d.hatena.ne.jp/Farmers_Energy/20090618/p1
それにしても県知事が小水力発電で国に要望するなど震災前では考えられない動きである。この様な動きがどんどん広がってほしいものだ。
原子力発電所の代替として小水力発電を語ることへの違和感
小水力発電は現在、原発の代替電源として注目を集めつつあるようだが、このことに若干の違和感があるということを書いておきたい。うまく書けるかな。
原子力発電所のリスクについて
まず、これまで原子力発電所が都市を支えるうえで重要な役割を担っていたことは否定しない。問題は、我々は原子力発電所のもつリスクについて十分な理解がないまま運用してしまったために、極めて不十分な対策しかとらず、結果として壊滅的な被害を発生させたことである。我々はその反省から、原子力発電所のもつリスクについて注目し、その信頼性について厳しい視点で監視してゆく必要がある。
原子力発電所の再稼働について
私は、原子力発電所のもつリスクをコントロールできると確信できるまでは再稼働を行うべきではないと考える。ゆえに再稼働の条件として“ストレステスト”をクリアすることが挙げられるのは当然であると考えるし、それだけでは不十分なのではないかとさえ思う。
しかし、原子力発電所について国家および事業者は、事故後においても、安全性は語るもののリスクは語らない。現時点で、国家と事業者が“安全性が確認されたから再稼働する”と語ったとして、それを信用する人間は少ないだろう。現時点で再稼働を認める人間の多くも、原子力発電所の持つリスクとその経済性を秤にかけ再稼働を容認しているだけで、その安全性を確信している人間はどれだけいるのだろうか。
原子力発電所の再稼働の条件は、国と事業者が原子力発電所のリスクを明確にしたうえで、その対策を明示し、再稼働容認の国民的合意がなされることを挙げておきたい。これには時間がかかるが、次世代への責任を考えれば、避けてはならないプロセスだと考える。
小水力発電について
一方、小水力発電の最大の特徴は、地方(中山間地域)などのコミュニティの核になりえることだろう。中山間地域におけるエネルギーの地産地消の核となりえることが最大のメリットだ。詳しくは「小水力発電の電力買取価格をせめて太陽光パネルの半額に引き上げて」を読んでみてください。
小水力発電は地方(中山間地域)などのコミュニティを支えるエネルギー源としては有望だが、原子力発電所のように都市を支えるには力不足ではないかと感じる。都市において小水力発電は、せいぜい補助電源だろう。
小水力発電は原子力発電所の様には都市を支えてはくれないだろう。そのことが明らかになった時、小水力発電(というか多くの再生可能エネルギー)に失望する都市住民がいたとすれば、それは知力不足の謗りを免れないだろう。
問われていることと違和感
原子力発電所事故により問われていることは、原子力発電所の代替探しではなく“都市の支え方”だと考える。その結論は、現在の都市を維持するエネルギー源の確保ではなく、都市の縮小と人口の分散化という方向になると予想する。都市と地方のバランスをどう整えるかということが問題の本質で、エネルギー源はその構図の中に含まれる要素と言える。
事故を起こした福島第一原子力発電所で発電された電力は東京で消費していた。しかし、飯館村などの農村・漁村を支えるのに原子力発電所はいらない。それこそ小水力を軸とした再生可能エネルギーで十分だ。「原子力発電所」などの大規模電源が必要なのは都市や工業を支えるためである。
いま、「原子力の代わりに小水力」と語る場合に、この辺の切り分けができてないケースが多い様に感じれらる。つまり、都市と地方という構図の中で電源問題を考えない方々には違和感がある。
以上、「同感」という人が多く居られると嬉しいです。